「冬馬·····」

呼びかけても返事はない。

「とうまぁっ·····!」

何度呼びかけても

冬馬が目を開けることは無かった。

「大丈夫、大丈夫だよ。」

そうやって抱きしめてくれたのは

冬馬じゃなくて

颯太くんだった。

私は泣きじゃくった。

大切な宝物をなくした

子供のように。

もう私には何も残ってない。

そんな気がした。