「李彩(りいろ)、大好きだよ」 甘い声が耳にかかり、大きく骨張った細い指が、私の唇と顎にそっと触れる。 ふわっと爽やかで甘い香りが鼻を擽(くすぐ)り、 ピアノ1オクターブ+3音は届きそうな長い指が、触れていた顎をくいっと持ち上げた。 吸い込まれるように近づいてくる、赤く綺麗な唇。 少し茶色がかった髪は、さらさらで、少し癖がついている。 肌は雪のように白くて、身長は、私が見上げるぐらいに高い。