一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~

その胸の中から離れようとしても店長はびくりともしない。
そのくらい強く強い力で私を抱きしめている。

「いやだ・・・」
「うん」
「・・・」


泣きつかれて立っていることに限界が来る前に店長は私の体を抱き上げた。
すでに抱き上げられることに抵抗する力も私には残っていない。

店長は私を抱き上げたまま、ソファに座った。
店長に抱っこされているような状態になる私。

店長の胸に頭をもたれかけたまま、まだ涙は枯れずに流れ続ける。
店長は私の瞳から涙があふれるたびに大きな筋の通った手で拭う。

部屋の中に時計の秒針が時を刻む音だけが響く。

「麻貴」
沈黙を破ったのは私ではなく、店長だった。

顔にかかる私の髪をかき上げて、まっすぐに私を見つめる。
「ちゃんと言わなくてごめん。」
「・・・嫌だった・・・」
「うん。ごめんな。ごめん。」
店長を責めるのは違う。そうわかっているのに、口から出るのは店長を責めるような言葉だ。
「でも・・・」
「ん?」
「…もう自分が嫌だ…。こんな自分も…大嫌い…」

また新しい涙が私のほほを伝う時、店長は私の涙をにぬぐうことはせず、私にキスをした。
やさしくやさしい…どこまでもやさしいキス。