一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~

「大変なんですよ、店長がまた転勤するかもしれないって話し、先輩聞いてました?」
「え?」
ちょうど体を起こしてベッドのサイドボードに店長のきれいな字で書かれたメモを見つけて手にしたところだった。
「やっぱり、あの工場の火災事件は大打撃らしくて…早くて来月、遅くても再来月には店舗が休業するようになるくらい、在庫が切れる見込みらしくて、店長は店舗から本社の営業に回るって。」
「・・・」
「先輩?聞いてます?」
「・・・うん。ごめんね、明日は出勤するから。」
私は手にしたメモを抱きしめながら目を閉じた。

…言い出せないのはきっと私を気遣ってだ。
誰よりも相手を想う店長のことだから、私に気をつかって…。


『なにか食べられそうなもの買ってくる。絶対に無理しないで横になって待つように!店長命令!』


達筆なそのメモを抱きしめた胸が痛い。

私は店長の重荷にはなりたくない。
私のせいで店長を縛り付けてしまうのは…絶対に嫌だ。