心がいくつにも分離している。

「麻貴?」
座っている私の背中を抱きしめる店長。
私の体は驚くほど震えている。

「大丈夫。そばにいるから。検査してみよう。麻貴のタイミングでいいから。」
そう言って私が動き出せるまで、店長は黙って私の背中を撫で、肩を抱き、髪を撫で、寄りそってくれた。

「そばに・・・」
しばらくして、私の決心が固まった時、震える声で店長の方を見ると、店長は私の手をギュッと握り優しく微笑みかけてくれた。

「そばにいる。大丈夫。そばにいる。」

私はその一言に、背中を押されて検査をするためにトイレに向かった。