「おいしいっ!」
チーズケーキのおいしさに感動していると、店長が嬉しそうに私を見つめていた。
「ついてます?」
思わず自分の口もとを気にする私に、店長は微笑みながら首を横に振る。

「なぁ、麻貴」
「はい?」
「俺、麻貴のこと好きだわ。」
「へ?」
「多分、会った時からだろうな。」
「・・・」
急な店長の言葉に完全に私はフリーズする。
「目が離せない。一緒にいたい。もっと知りたい。」
「・・・」
真剣な顔になる店長。
「迷惑かな?」
はじめて見るくらい自信のなさそうな声に、私は思わず首を横に振る。

その瞬間から私たちの関係に名前が付いた。

これから始まる時間が幸せなものになりますように。
少しでも長くこの幸せが続きますように。
そう願いながら、私は店長に握られた手を強く強く握り返した。