「これ付けて、一緒にキッチンに立つ。最高じゃん。」
店長は私の手をひきながらモール内にあるスーパーにすたすたと歩き始める。
「何か一緒に作ろう。麻貴、何作れる?俺、レシピ見れば作れるかな。難しいのは無理だけど。」
「私も、あまり難しいのは・・・」
「何食べたい?」
いつも冷静で、ゆっくりと話をする店長が早口になっている。

まるで幼い子供の用で私は思わず笑いながら、引かれる手をギュッと握った。

その瞬間店長がピタリと動きを止める。

急に動きを止めた店長に、私はもう少しでぶつかりそうになりながらとまる。

「ごめん。疲れた?休むか。どっかカフェとかで」
シュンとした表情になる店長。

私は店長に言われていた今日のルールを思い出して慌てて首を横に振る。