「のみすぎだろ」
車内に響く店長の声。
「碧、ほら、水のめ」
「いらないっ」
子どものような碧の声。

「いいから、のめ。ほら。なんで俺がお前にのませないとならないんだよ。親鳥かっ!」
店長の突っ込みにも屈しない碧。
「うわっこぼすなお前。」
にぎやかだ。

「麻貴。ほら、麻貴も飲め。ちゃんと。」
声が聞こえた瞬間、私の手に冷たいペットボトルが握らされる。
「開いてるからな。こぼすなよ?」
その声の方を見ると、碧越しに店長が私の方を見ている。