「ぶっ・・・ははっ!!」
店長は一瞬の間を開けてから豪快に笑った。
「ばかだなー麻貴は。」
「え?」
その反応に、私は余計にあれこれ知りたくなる。

「麗華は戦友だよ。あいつはちゃんと婚約者がいる。ニューヨーク支社にな。だからこそ俺とトレードして自分をニューヨークに行かせろって騒いだくらいだ。」
「・・・え・・・」
「今日は俺へのせめてものお礼だって言っておごってもらってたんだよ。ついでに、支社で俺が担当してた取引先の特徴を伝授してた。」
「・・・」
急に安心してしまう私。

「変な気をつかうんじゃないよ。」
店長は私の頭をわしゃわしゃと撫でてから車を走らせた。