私を見てくれなかった。 彼女は、そうだ。 いつだって。 「はじめまして、シオンさん。」 「・・・はじめ、まして。」 浮かんでくるその映像は、確かに私の記憶。 何の違和感もなく、外れていたピースがひとつ、埋まったような。 そんな感覚。 今ならもっと思い出せる。 ぐっと強く目をつむった。 祈るように、神経を研ぎ澄ませるとどこからか浮遊感。 そうしてしばらくすると重くのしかかってくる気だるい眠気。 私はあがらうこともしないでゆっくりとそれに身をゆだねた。