「永遠に…。」


時の狭間から出られなくなる。
それは、気の遠くなるような時間をここで過ごすことになると言うことだ。
何も無いここはまるで生き地獄。
生きてなどいない私たちだからその表現は間違いだけれど、そう思わずにはいられない。
死んでいても私たちには意識があるのだから。

そんな重い罰がありながら、彼女たちはルールを破っているのか。


「でもね、」


シオンさんは静かに目を伏せた。
已然口元は弧を描いていて、私の反応を楽しんでいるかのように思える。


「ひとつやふたつ破ったくらいじゃ罰はないのよ。」


くつくつと喉を鳴らして、彼女は私に背を向けた。
そうしてベットへ腰を下ろすと優雅に足を組んだ。


「じゃあ、シオンさんは大丈夫なんだね。」


ふぅっと胸を撫で下ろすと彼女は意外そうな顔をして。
まじまじと私を見やった。


「アタシを心配してくれてるの?」


まるく大きな瞳をギリギリまで見開いて、彼女は私を視界一杯に映す。

そんなに可笑しなことを言っただろうか。
私がシオンさんを心配するのは普通なことで。
驚かれるなんて少しショックだ。
私はそんなに冷たい人間だと思われているのだろうか。

それとも、生きていた頃の私はそんな人間だったのか。