「フフ、くゆるちゃんはユウのことどう思っているのかしら。」


びくり。
肩が揺れた。
彼女としては昨日私が彼の所に行ったから何気なく聞いたのかも知れないけれど。
今の私にはあまり触れて欲しくはなかった。

それは今、私はユウくんのことを疑ってしまっているからだ。
あんな小さな子どもが惑わす訳ない。
そう思っているのに心のどこかで、矛盾に苦しんで。
その矛盾は彼が意図的に私に仕掛けたものだと思えば解けてしまうから。


「あの子はくゆるちゃんに何を吹き込んだのかしらね。」


彼女の白く冷たい手は私の頭を撫でた。
嗚呼こんなにも。
私の中で彼女は大きな存在で。
髪を滑る彼女の手にとても安心する。




その彼女は、ライの妹。