「あら、お出かけ?」


ベットに腰かけた彼女は優雅に足を組んでいた。
ピンク色の髪の毛は彼女が動く度にさらり、さらりと揺れて。

どこに行くのか、と聞かれることは無かった。
ただ、彼女はいつもの笑顔で「忘れてはいけないわ。」とだけ。
けしてベットから動こうとはせずに、シオンさんは私を見送った。

見慣れた髪色と愉快そうな笑顔。
それらと少しの間だけ離れることになったのだった。