『ずっと、ずっと一緒だよ』


彼の後ろ姿。
黒髪が風に揺れていて。

手を伸ばせば届く距離なのに、何故だろう?
とても遠く思えて。


『行ってしまうのかい……? くゆる』


何を言ってるの。
遠くに行ってしまうのはあなた。

行かないで。
行かないで。
置いて行かないで。


『アナタ、邪魔』


どん、と背中を押されて。
浮遊感と目の前に迫る、闇。

ああ、私は消えるんだ。