雨哥はビーズ細工の作業でワイヤーなどを切る時に、刃物やペンチなどでよく手にケガをする時がある。 その時に、手当てで使用している塗り薬をタキの傷口に塗った。 滝は薬がしみる痛みに少し震えている。 ナイフでの傷だ。痛いに決まっている。 「大丈夫ですか?病院」と言う雨哥の声に滝は首を横に振る。 病院を嫌がり目を逸らすタキに、雨哥はほんの少し微笑んだ。 『思ったより良い人なのかも』 お互いそう思った。 こんなにも突然なのに、すごく自然で…。 不思議な気持ち…。