「手、見せて下さい。痛いと思いますけど、ごめんなさい。いきますよ」 タキの左手に更なる痛みが走る。 傷口を洗われ、消毒液がかけられ、それをまたコットンやガーゼで拭いている。 そんな雨哥の手が、目が気持ちがまた痛い。 心も痛むと言うのか…。 怪我したのは左手なのに、心もイタイと感じている。 タキは雨哥をただ見ていた。 他人が動いている。 自分の為に。 触れている。