俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

「――――うん……」


消え入る声で返事をすると、音夜は切ないため息を漏らした。


「そうか。うん。夜尋にも認めて貰えるようにがんばるよ」


もう、十分すぎるほどがんばっている。
けなげに笑うので、胸が切なくなった。
こんな顔をさせて、自分はその気持ちを考えなどせず、二の足を踏んでいたのだ。



「美夜……」


音夜は噛みしめるように名前を呼ぶと、ふと距離を縮めた。伏し目がちの瞳が目前に迫る。吐息が唇の横をかすめ、次に下唇を啄む。
美夜はびっくりして、慌てて迫る音夜の胸を押した。



「ごめん、ちゃんと答えをきくまでは我慢するって決めてたんだけど……うれしすぎて、ちょっとだけ」

「え、え、あ……んっ」


熱を帯びた声色と同時に、唇は塞がれた。二人の間に滑り落ちた夜尋が、むぎゅりとサンドイッチされる。


「キスだけ。お願い……」


半身を起こした音夜は、夜尋をつぶさないように覆いかぶさった。

途端に体が火照りだす。音夜の胸にてを添えると、自分と同じくらいドキドキしていた。

落ちてくる栗色の髪。
浮いた襟から見える鎖骨はありえないほどの色気を纏っていた。
愛欲を含んだ眼差しに、胸をわしづかみにされる。



「絶対、幸せにする――――」


何度も啄む唇は徐々に大胆になったが、最後までずっと、労りと愛情を感じる優しい行為だった。