俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

「夜尋はね、ここで大勢の人に育てられたからか、最初は人見知りするけれど、すぐに慣れてしまってどちらかというと人懐っこいタイプなの。

それでも、泣いたときや夜の添い寝はわたしじゃないとダメだった。
昨夜のような夜泣きなら特に。

でも、夜尋はあなたのことも呼んだ。
わたし以外にも、夜尋を安心させてくれる存在がいる。
そのとき、ああ、やっぱりあなたは父親なんだなって思ったの」


うまく表現できない気持ちを振り絞る。


「わたしどうしてもナオちゃんをひとりにしたくなかった。それで……とっさにお願いしちゃったけど……その……その時、勝手に……」


「“パパ”?」


音夜の口から放たれた単語にドキリとする。
最初に口にしたのは自分だ。



「―――――う、ん……ちゃんと返事してないのに、都合いいこと言ってごめんなさい」

「頼られて、俺がなんとかしなくては、俺ならできるって妙な自信で全身が満たされた。魔法の言葉だな」

「―――嫌だったよね。若林くんにも知られちゃったし……」

「嫌なもんか。誇らしい気持ちだった。若林なら俺から話をしておいた。言いふらすようなやつじゃないし、大丈夫だよ」


いつのまに。
本当に余念がない。



「夜尋に、あなたのことをちゃんと話したいの。話して、納得してもらってから、返事をしたい」

「――――それは、美夜の気持ちはもう固まっていて、あとは夜尋次第って解釈でいいのかな」

「う、うん……」

「夜尋さえ受け入れてくれれば、二人とも俺のものだ。――――そうだね?」



先ほどまで甘かった瞳が、急にぎらつきだす。声が艶っぽくなったのは気のせいではない。

情欲がチラついて見えて、美夜は思わず視線を逸らした。


「美夜、ちゃんと答えて」


頬を撫でる手に力がはいる。瞼が熱くなった。