俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

「え、高い高いっていうのは……こういう?」

そろそろと持ち上げられて、夜尋の体は天井に近くなった。


「そうです。いつもは放りなげちゃうんですけどね。こうやって……」

「え、投げちゃっていいんすか?」


音夜がやり方を説明すると、トモは戸惑いながらも夜尋を宙に浮かした。


「おーくんよりたかいのー!」


夜尋はきゃっきゃと喜ぶ。


「体力あるなぁ。さすが」


音夜はトモの若さを羨ましそうに見る。
夜尋が自分のときより興奮していて、少し面白くなさそうだ。


「トモはバスケ部のエースなんだ」

「ああ、だから」


ナオの自慢げな物言いに、納得する。

何度か投げてもらい、床に下ろされた。


「もっとー。もっとしゅるのー」

「だあめ! お兄ちゃん困っちゃうよ。大事なお話していたの。だからここじゃなくてお外で遊ぼうね。トモヤさんも皆さんもすみません。ありがとうございました」


恐縮しっぱなしで謝ると、トモは「大丈夫です」と言ってくれた。

トモは夜尋を抱き上げた手のひらを見つめて呟いた。


「男の子いいなぁ。ナオの子も、男の子かな……」


はっと、みんなが一斉にトモを見た。


「男の子なら、俺と一緒でバスケやらせたいなぁ。……どっちなの?」


ナオが唇を噛んで体を震わせた。


「っま、まだわかるわけないでしょそんなの!」

「え、そうなの? いつわかるの?」

「え? い、いつだろう……?」


二人は顔を見合せて首をかしげた。

ナオの父親はそこで眉間の皺を復活させた。
母親は目を潤ませる。

でもさっきまでとは違う意味での苦悩だとわかって、美夜はすこし肩のちからを抜いた。