俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

朝食兼、昼食を三人で食べゆっくりしているとすぐに三時になり、ナオの両親とトモが旅館に到着した。


夜尋をもういちど音夜にお願いをし、美夜は女将と一緒にナオの元へと向かった。

ナオを宿泊させた部屋に通すと、両親は畳に手をついて謝った。


「とんだご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ございませんでした」


ご両親の後ろでトモがナオを睨みながら立っていた。

トモは背が高く、随分と体つきの良い男の子だった。黒髪短髪で、とても真面目そうに見える。


しかめっ面をしていた。怒っている感情が顕わで、ナオは受け止めきれずに俯いてしまう。
怖いのか、震えていた。震える手を握ってあげると、痛いくらいに握り返してきた。



「タクシー代を立て替えてくださったそうで、宿泊代も含めてお支払いさせてください。ナオ。お世話になったのだからちゃんと挨拶をしなさい。帰るぞ」

「や、やだ……! 帰ったら赤ちゃん殺す気でしょ?!」

「そんな言葉を使うな! 俺たちが心を痛めていないと思うか! 高校はどうする! 仕事は、養育費は!? 育てられもしないくせに、無計画に子供をつくったのはお前だろう!」

「育てられる! ここの旅館は働かせてくれるし、赤ちゃんの面倒もみてくれるんだもん! わたしだって馬鹿じゃない。そういうところだってちゃんと調べて、だからここに来たの。

わたし一人だって育ててみせるんだから! 美夜さんだって、ここで働きながら一人で育てているんだから……!!」


ナオは、美夜の背中に抱き着いて隠れた。


「ナオちゃん……」

「誰の手も借りなくったって育てて見せる! トモだってわたしを捨てたくせに、なんでいるのよ……! 何しに来たの?! わたしの赤ちゃんをおろせだなんて言う人はみんな敵よっ…大嫌いっっ」

「お、俺はおろせなんて言ってない……色々考えて、ナオの為に、それも選択肢の一つじゃないのかって相談しただけだっ」


それまでずっと俯いていたトモが口を開く。


「嘘! ちょっとお父さんに殴られたからってすぐに気持ちを変えてっ…トモなんか……っ」

「気持ちは変わってない!」


トモが怒鳴った。
ナオはびくっとする。