俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました





目が覚めると一人だった。音夜も夜尋もいない。


「し、仕事っっ!!」


寝坊をしたのだと思って飛び起きる。
時計を確認するとお昼前だ。


「嘘。保育所……! あ、あれ?」


二人はどこへ行ったのだろう。音夜は仕事? 夜尋は保育所に行った……?
夜尋が起きたのに気がつかないなんて。普段はこれほど深く眠ることなどないのに。


とりあえず起きて所在なくウロウロしていると、廊下から甲高い笑い声がして、ドアが開いた。


「あ、ママおきたー。おはよー」


夜尋が膝に抱きついた。
髪が濡れて、石鹸のいい匂いがする。


「夜尋、保育所は?!」

「休ませた。俺も美夜も夕方の勤務まで空きになったから、預けなくてもいいかと思って。ちゃんと施設には朝のうちに連絡したよ」


音夜も髪が濡れている。


「一緒に朝風呂行ってきたんだ。昨夜入れなかったから行くって言ったら、夜尋も一緒に入りたいって言うから。露天風呂最高だったよ」

「あしゃぶろきもちいいねー」


そういば朝に露天へ行くのは、夜尋は初めてだ。


「ありがとう」

「厨房からご飯を貰ってきたよ。今日は賄いでいいよな? 適当におかずも。
あと、先週注文した食材が届いてたから、それも名前を書いて冷蔵庫いれといた。

フロントのフォローには、代わりに花恵さんが入ったから安心して。宿泊客少ないから、十分回るってさ。昨夜の引き継ぎも終えているし、だからゆっくりしよう」

「あ、あの、ナオちゃんは……」

「さっき確認したらまだ寝てた」

「ご両親も、出発が遅れたり色々あって、結局15時くらいになっちゃうって。とりあえずナオが起きたら連絡入るようにしておいたから」

「い、いろいろありがとう……」


完璧だ。
要領の良さに感心する。懸念事項はすべて網羅していた。

「なんだよ畏まって。こんなの当たり前の事なんだって。俺は美夜の伴侶で、夜尋の保護者でもあるんだから」


夜尋にわからないように、難しい言い回しをした。


「ほーしゃ? おーくんぼくのほーしゃなの。ほーしゃってなに?」


ねぇねぇと目を丸くして、音夜に飛びついた。


「さあ、なんだろうなぁ?」


抱き上げて高い高いをした。
天井に頭がぶつかりそうだ。

こういう力技の遊びは自分には出来ないので、夜尋はキャッキャと喜んだ。