◆
目が覚めると一人だった。音夜も夜尋もいない。
「し、仕事っっ!!」
寝坊をしたのだと思って飛び起きる。
時計を確認するとお昼前だ。
「嘘。保育所……! あ、あれ?」
二人はどこへ行ったのだろう。音夜は仕事? 夜尋は保育所に行った……?
夜尋が起きたのに気がつかないなんて。普段はこれほど深く眠ることなどないのに。
とりあえず起きて所在なくウロウロしていると、廊下から甲高い笑い声がして、ドアが開いた。
「あ、ママおきたー。おはよー」
夜尋が膝に抱きついた。
髪が濡れて、石鹸のいい匂いがする。
「夜尋、保育所は?!」
「休ませた。俺も美夜も夕方の勤務まで空きになったから、預けなくてもいいかと思って。ちゃんと施設には朝のうちに連絡したよ」
音夜も髪が濡れている。
「一緒に朝風呂行ってきたんだ。昨夜入れなかったから行くって言ったら、夜尋も一緒に入りたいって言うから。露天風呂最高だったよ」
「あしゃぶろきもちいいねー」
そういば朝に露天へ行くのは、夜尋は初めてだ。
「ありがとう」
「厨房からご飯を貰ってきたよ。今日は賄いでいいよな? 適当におかずも。
あと、先週注文した食材が届いてたから、それも名前を書いて冷蔵庫いれといた。
フロントのフォローには、代わりに花恵さんが入ったから安心して。宿泊客少ないから、十分回るってさ。昨夜の引き継ぎも終えているし、だからゆっくりしよう」
「あ、あの、ナオちゃんは……」
「さっき確認したらまだ寝てた」
「ご両親も、出発が遅れたり色々あって、結局15時くらいになっちゃうって。とりあえずナオが起きたら連絡入るようにしておいたから」
「い、いろいろありがとう……」
完璧だ。
要領の良さに感心する。懸念事項はすべて網羅していた。
「なんだよ畏まって。こんなの当たり前の事なんだって。俺は美夜の伴侶で、夜尋の保護者でもあるんだから」
夜尋にわからないように、難しい言い回しをした。
「ほーしゃ? おーくんぼくのほーしゃなの。ほーしゃってなに?」
ねぇねぇと目を丸くして、音夜に飛びついた。
「さあ、なんだろうなぁ?」
抱き上げて高い高いをした。
天井に頭がぶつかりそうだ。
こういう力技の遊びは自分には出来ないので、夜尋はキャッキャと喜んだ。
目が覚めると一人だった。音夜も夜尋もいない。
「し、仕事っっ!!」
寝坊をしたのだと思って飛び起きる。
時計を確認するとお昼前だ。
「嘘。保育所……! あ、あれ?」
二人はどこへ行ったのだろう。音夜は仕事? 夜尋は保育所に行った……?
夜尋が起きたのに気がつかないなんて。普段はこれほど深く眠ることなどないのに。
とりあえず起きて所在なくウロウロしていると、廊下から甲高い笑い声がして、ドアが開いた。
「あ、ママおきたー。おはよー」
夜尋が膝に抱きついた。
髪が濡れて、石鹸のいい匂いがする。
「夜尋、保育所は?!」
「休ませた。俺も美夜も夕方の勤務まで空きになったから、預けなくてもいいかと思って。ちゃんと施設には朝のうちに連絡したよ」
音夜も髪が濡れている。
「一緒に朝風呂行ってきたんだ。昨夜入れなかったから行くって言ったら、夜尋も一緒に入りたいって言うから。露天風呂最高だったよ」
「あしゃぶろきもちいいねー」
そういば朝に露天へ行くのは、夜尋は初めてだ。
「ありがとう」
「厨房からご飯を貰ってきたよ。今日は賄いでいいよな? 適当におかずも。
あと、先週注文した食材が届いてたから、それも名前を書いて冷蔵庫いれといた。
フロントのフォローには、代わりに花恵さんが入ったから安心して。宿泊客少ないから、十分回るってさ。昨夜の引き継ぎも終えているし、だからゆっくりしよう」
「あ、あの、ナオちゃんは……」
「さっき確認したらまだ寝てた」
「ご両親も、出発が遅れたり色々あって、結局15時くらいになっちゃうって。とりあえずナオが起きたら連絡入るようにしておいたから」
「い、いろいろありがとう……」
完璧だ。
要領の良さに感心する。懸念事項はすべて網羅していた。
「なんだよ畏まって。こんなの当たり前の事なんだって。俺は美夜の伴侶で、夜尋の保護者でもあるんだから」
夜尋にわからないように、難しい言い回しをした。
「ほーしゃ? おーくんぼくのほーしゃなの。ほーしゃってなに?」
ねぇねぇと目を丸くして、音夜に飛びついた。
「さあ、なんだろうなぁ?」
抱き上げて高い高いをした。
天井に頭がぶつかりそうだ。
こういう力技の遊びは自分には出来ないので、夜尋はキャッキャと喜んだ。



