俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

「で、でも、仕事もできて、尊敬してたよ。わたしだって、誰彼構わずあんな情けない姿を見せるわけじゃない。信頼もしていた。
だからこそ、志波(しば)……美才治(みさいじ)さんのことを巻き込んでしまった自分が情けなかったんだよ」

「巻き込まれたとは思ってないけど」

MISAIJI(ミサイジ)のトップ営業マンと一緒にいるところを見られて、美才治さんまで疑われたらどうしようって思ってたから。一晩過ごしてからいうことじゃないけど、バーで会った時点でわたしは泣きつかずにその場を離れるべきだったんだ」

「もしかして、ホテルから逃げた理由ってそれ?」

「…………ごめんなさい。だって、ものすごく怖くなっちゃって。あなたには迷惑をかけたくなかったから……」


音夜はため息をつく。


「あのさ、確認したいんだけど、美夜が後悔しているのって、俺と寝たこと? それとも、俺に迷惑をかけたってこと?」

「っ…!」


はっと顔をあげると、音夜の瞳は揺れていた。
子供のように傷ついた顔をして、悪い返事がこないことを祈って待っている。


「美才治さんに、迷惑かけたことだよ……」

「俺は……嫌ではなかった?」


嫌じゃない。
そんなわけない。
勢いよく首を振って否定する。

そりゃあ、朝起きてびっくりはした。けれど嫌悪はまったくなくて、全身で幸せを感じたことを微かではあるが覚えていた。



「シャワーでたら置手紙だけでもぬけの殻。まだ連絡先も交換してなかったし、俺めちゃくちゃショックだったんだけど」

「そ、そうだよね。あの……支払い大丈夫だった…?」


言った途端、ぎろっと睨まれた。