俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

ゆっくり落ち着いて考えていたら、この先、自分がどうしたいかが見えてきた。

音夜(おとや)に話して、どうなるかわからない。

けれど、何を言われてこれからどんな状況になっても、夜尋を愛し、これからも夜尋と暮らしたい。

それだけははっきりしていた。
あの子は自分が守らなくては。

勝手に生んだことを怒られるのは、甘んじて受け止めよう。
認知しないと言われたり、父親を明かさない誓約書かかされるのなら、うけてたとうじゃないか。

一人で育てようと決心して生んだんだ。
シャキッとしろと震えるこぶしを叩いて叱咤した。


そろそろ音夜の案内にいかなくては。
時計を確認して、休憩を終える。

廊下へでようと立ち上がったところで、ドアがノックされた。


美夜(みよる)……?」


木製のドアが、コンコンと控え目に鳴る。
音夜だ。

ゆっくりとドアを開けると、この旅館の制服である、美夜と同じ作務衣に着替えた音夜が立っていた。


「作務衣……」


目を丸くすると、音夜はちょっと照れた。


「スーツで風呂掃除はできないだろ」

「そうだけど……」


まさか作務衣を着るとは思っていなかったので、びっくりした。

シンプルなネイビーの作務衣がこうも格好よく見えたのは初めてだ。洋風の顔ではあるが、和服も似合う。合わせた襟のたもとが妙に色っぽく映った。


「ちょっと話したい。部屋に入らせてもらって大丈夫かな」

「は、はいっ」


見られて困るものなどない。美夜も近いうちに二人で話したいと思っていたので、すぐに頷いた。