俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

これ以上恥をさらさないために、この場は即刻お暇をするべきだ。

急ぐべきではあったが、せっかくなので無添加とハーブを売りにしている、高級石鹸で全身をくまなく洗った。
用意されていたバスローブに身を包み気合を入れる。

謝ろう。土下座しよう。
とんでもないことをしでかしてしまった。

メインルームに戻ると、部屋にはコーヒーの良い香りが充満していた。


ローブ姿のままソファで寛ぐ音夜はなんとも絵になる。

(一般人でも、顔さえ良ければ似合っちゃうんだなぁ)

この部屋にいて、違和感がないことに感心した。


「すっきりした?」

「う……う、ん……」

「ハーブのいい匂いがする」

ソファから立ち上がって美夜を迎えると、乾かしたての、セットしていない髪を一房掬って、鼻をすんとさせた。

無添加ハーブのシャンプーを使ったからだ。


「どっか、痛くなかった?」

「え?」

「体。……いや、俺、自制きくタイプのはずだったんだけど、昨夜はなんかとまんなくて。美夜が無理って訴えてたのについ何回もやっちゃったから。思春期の高校生かよって思ってさ……」


音夜は昨夜の自分を悔いているように、恥ずかしがった。
それはお酒の力じゃなかろうか。断じて変な薬は盛ってないぞ。

腰に手が回る。その手にぐっと引き寄せられ、美夜は音夜の腕の中に収まった。

平均身長であるため、180センチを超えているらしい音夜との身長差では、いつも見上げなくてはならない屈辱を感じていた。

だが今は、顔が見えないことがありがたい。
俯くと、丁度胸があった。とくんとくんと、音夜の胸の音を聞く。