俺様御曹司が溺甘パパになって、深い愛を刻まれました

「コーヒーは俺が用意しとくから、動けそうならシャワー浴びて来たら。お前、昨夜泣きすぎで顔ぐっちゃぐちゃ。化粧ひどいぞ」

鼻をつままれた。


「ひゃ……」


思わず顔を顰めると、音夜も真似をして顔をくしゃっとくずして笑った。


(可愛い、かも……)


こんな無邪気な顔もできるんじゃないか。


立場上、会うときは契約を取るか取られるか。

お互いに気を張っていたこともあり、向ける表情は、ふてぶてしく笑うような顔しか見ていなかった。

年上だと思っていたが、いったい幾つだったっけ?
美夜の反応に気分を良くしたのが、音夜はご機嫌でキッチンへ向かった。

美夜はその隙にシャワールームへ体をずって急ぐ。

鏡張りのパウダールームの奥に、もう一部屋つくれるんじゃないかと思うほど、広いバスルームがあった。

ガラスの扉の横には、荷物をおけるワゴン式の台が設置されている。あまりにもゴージャスな装飾だったので、自分の一か月分の給料で買えるのか気になった。

そこに、お風呂に浮かべる用の薔薇の花びらがセットされていることに若干おののきつつ、巻いていたシーツを足元に落とすとシャワースペースへ飛び込んだ。