「最近プロパティーさんに、やり手の営業さんがいらっしゃるとは噂をきいておりましたが。やはりあなたでしたか」
「わたしのことを……?」
「お名前も一人歩きするほど有名ですけれど、なかなか極彩色な方だと伺っておりましたので。この業界では珍しいスタイルでいらっしゃるので目立つんですよ」
しれっとケバイ女だと言われ、苛立った。
「これはわたしなりの戦闘スタイルなんです。馬鹿にしないでいただきたいですね」
美才治不動産はとは顧客を取り合ったことがなかった為、そんな大手にまで自分の名前が知れているのかと驚いた。
「馬鹿にだなんてそんな。気合入ってる感じで格好いいですよ。むだに着飾って、働いているふりをしている奴よりマシだ」
牙を剥いて次の口撃を待ち構えていた美夜は、きょとんとした。
社内でもダサいセンス悪いケバイと評価は散々であるのに、音夜の口調は本当に認めてくれているようで、悪い気はしない。
年も近そうだし、同じ営業同士、切磋琢磨できるんじゃないかと心を開きかけたときだった。
「まあ、どんなやり手の営業がきても、わたしの前では蟻に等しいですから。ルートを邪魔しようだなんて思わないでくださいね。手嶋さんは地上げの仕事とは関わらず、空き地探して地主にアパート経営でもさせたらいいんじゃないですか。プロパティーさん、開発関係はやってなかったでしょ」



