「パパ!!」
夜尋がバンザイをしながら駆けよった。
「夜尋! 会いたかった!」
音夜は抱き上げて頬にキスをした。
「ああ、もう泣いてる」
音夜は美夜を見て、眉を垂らす。指が頬を流れる雫を掬った。
「っな、泣くでしょ! この場所は、実家みたいなものなんだからっ……」
「うん。だよな。美夜が本当は泣き虫なの知ってるし」
音夜は肩を抱き寄せると、美夜の頬にもキスをした。
そして高らかに宣言する。
「みなさん、ありがとうございます。お世話になりました。美夜は必ず幸せにしますので、安心してください」
「きゃー! 素敵です!」
音夜の挨拶に、花恵が黄色い悲鳴を上げた。
「美夜。改めて、今日からよろしくな」
「うん! よろしくお願いします!」
「よおしくー」
真似した夜尋にクスッとする。
「美夜ちゃん、寂しくなったら何時でも電話してね!」
花恵が泣きながら手を振った。
美夜は何度も頷く。
「ありがたいけど、その心配はいらないよ」
音夜の腕に力が入った。ぐっと顔が近づく。
「覚悟をしていて、寂しいなんて一寸たりとも感じないほど、ドロドロに愛してあげるから」
耳に吹き込まれた情熱的な宣言に、美夜は涙が止まって顔を真っ赤にした。
了



