「あら、いいの?ありがとうね。」

そう言っておばあちゃんは私の隣に座る。

お、遅かったっ!

軽く持ち上がった腰を下ろすと、立ち上がった男性が私の前に立ち、吊り革に捕まる。

その人を見上げると、爽やかイケメンな大学生だった。

こんな人が席を譲るのか。
イケメンで優しいってもうなんかやばいな!

そう思っていると、ふいにその大学生と目が合ってしまう。

や、やばい。見てるのバレた。

すっと目を逸らして下を向いていると、上から声をかけられた。