あ、あつい……

冷房が効いた涼しい車内。
にも関わらず、目の前の光景のせいで冷房すらも暖房に切り替わっているような気分だ。

「ね〜え〜?わたしぃ、ここ行きたいなぁ?」

「しょうがないなぁ〜。じゃあ後で一緒に行こうね?」

「うん!大好き!」


目の前で繰り広げられる2人の世界。
いや、ここ電車だから。
そうは思っても口出しはできない。
周りは皆気づかないフリをしているのだ。