バイトを始めてしばらくしてから、留学生として来日しているというイギリス人の大学生と知り合いになった。
サッカーのことで意気投合して、サッカー中継もよく一緒になって見ていた。

その人は大学に通いながら、最近できたばかりの語学カフェでバイトをしていると言った。
そこでは英語を学びたい日本人を相手に英語を教えているという。
彼は英語を教えているが、他にも中国語やフランス語など、さまざまな言語を各国のネイティブが教えるそうだ。
一見どこにでもある英会話教室のようだけど、英会話教室のように「先生対生徒」という感じではなく、学びたい言語のグループを自由に選んで、好きなタイミングで自由に会話に参加できるというシステムらしい。

「だからおしゃべりをしている感覚で、全く教えているという感じはしない。それに、自分も日本のことについてそこで新たな発見があったり、学んだりしている」

何とも謙虚な姿勢で、そう話してくれた。

その人自身は、まだまだ片言の日本語だけど、コミュニケーションをとるには全然問題ない程度の日本語力だった。