…………長い。
思ったよりもずっと長くて小難しい返しに、なんかもうガックリというか。
全身の力が抜けちゃって、テーブルに突っ伏しちゃう私。
学術的って、なによそれ。
もうやだ、この人……
「紗良ちゃん?」
「……雄太さんさ、女心がわからないとか、デリカシーないとか言われません?」
「うーん……」
顎に手をやって、考える人っぽいポーズ。
「そもそも、女性と関わることが少ないから、そんなこと言われた記憶はないけど……」
ううむ、と天井を仰いで考えてた雄太さんが、さまよわせた視線を止めて、ポンと手を打つ。
「早川先生は、あの奥さんだから結婚できたんだねって、言われたことはあったよ」
それよ、それ!
……って、なにそのナチュラルなノロケ。
なに?その照れ笑い。
いやもう、モヤッと通りこしてムカつくわ。
「はぁ……もういいです……訊いて、損した」
「えっと…………なんか……ごめんね?」



