あの夏の日の午後のこと、私はきっと忘れないだろう


「伯母さん……の?」
「この間、クローゼットを整理していたら出てきてね。どうしようかと思っていたところだったんだ」

しっかりした生地のシンプルなデザインは、確かに伯母の趣味のもののように思える。

「サイズもぴったりみたいだしね。良かったら、そのまま着て帰ってよ」

身に着けた服は特に不都合なところもなく、確かにサイズも合っている。


だけど……これって、伯母さんの形見、なんだよね?


何と言っていいかわからず、改めてワンピースを見直す私を見て、雄太さんは何を思ったのか、小さく苦笑した。

「ああ、でも、若い子が着るような服じゃないのかな?でも、僕のとか、濡れた服よりはマシでしょう?」

別に雄太さんの服でも良かった、というか、雄太さんの服の方ががよかった。

このワンピースは……なんだか、私をそわそわさせる。