あの夏の日の午後のこと、私はきっと忘れないだろう


「あ……」

どうしよう……なんて言おう……

何も考えずに来てしまって、完全に勢いだけのノープラン。

もちろん、母に頼まれたことなんて何もない。

適当にごまかしてもいいけれど、誰かに言われてきたと思われると、これから色々と……やりにくくなるような気がする。

いや、もちろん、もう覚悟っていうか、心の準備はできてるけどね!

いきなりそう……うまくはいかないんじゃないかと思うし、これから徐々に進めていくのに、ちょっとした布石を打っておきたい。


雄太さんに会いたくて……?

ちょっと顔が見たくて……?


好きです……は、いきなりすぎる……か……


迷ったけれど、結局どれも決め手に欠けたので、結局、素直に本当のことを言うことにする。

「いえ、あの…近くまで来たので、元気かな……と思って……」

会いに来ました……そこまで言えば、私的に満点だったんだけど。

すぐに顔が熱くなって、しどろもどろになった。