その思わせぶりは有罪です。



せめてもの抵抗を、と、机の下で脚を浮かせる。


こんなことじゃ痩せないことくらい分かっているが、気の持ちようである。


無心で脚を浮かせ続けていると気づけば講義は終わっていて、荷物を手にした生徒達がぞろぞろと教室の外へ出て行く。


その後ろ姿を見ながら、スマートフォンに手を伸ばして通知を確認しようとすると、後ろでもそもそと動く音がした。


顔を少し横に向けて視線だけ後ろへ向けると、まだ人の影が見える。


冬弥君、まだ残っていたんだ。