その思わせぶりは有罪です。



勉強ばかりだった受験生活から解放され、春は出会いの季節だからと買った恋愛小説。


若者向けの少し甘酸っぱい書き方で、甘い言葉も友情も、恋する気持ちも、全部が詰まっていた。


不意に甘い言葉をかける男の子と、それに惑わされている主人公。


「いいなぁ……私にも恋、来ないかなぁ」


男の子の甘い台詞を読む途中で私は顔を上げる。


「運命、無いかなぁ……」