酸素を求めて唇を解くたびに大きく息を吸う陽菜を追いかけ、さらに貪る。

もっと陽菜を感じたくてキスをしたままグッと身体を傾けると、彼女の背中がぽすんとソファに沈んだ。

キスをしすぎて赤みを帯びた唇を舐めた後、そのまま首筋へキスを落とす。

部屋着姿だった陽菜の胸元は無防備に大きく開いていて、襟ぐりを少し横に引くだけで細い肩が見えそうだった。

いくら夏だからって男と住んでいるのに危機感がなさすぎだと叱りたい自分と、その姿をしっかりと目に焼き付け堪能している自分とでせめぎ合っていたのだ。

人差し指で襟ぐりを下げ、普段は服で見えないだろう位置に強く吸い付く。

「あ……っ」

鎖骨の下に咲いた赤い花を見て、むくむくと征服欲が湧いてくる。

「はじめてつけた。いいな、これ。俺のものって感じがして」

もっと所有の印を刻みたい。汚れを知らない身体を自分のモノにして、二度と他の男のもとになんて行かせたくない。

俺だけを見て、俺だけを感じるようにしてやりたい。

次から次へと溢れてくる爛れた情欲に似た感情を持て余しながら、陽菜の首筋に噛みついた。