〜凛〜

「はあ、面白かった。明里のあの顔と言ったら…」

私は笑いながら帰り道を歩いていた。

時刻は午後6時過ぎちょっと。辺りはもう暗く、足場が悪かった。

「それにしても、あそこまで怯えてくれるとは…。やっぱりからかい甲斐があるなぁ…」

明里は今頃泣きながら帰っているだろう。

「あの子はあれが私の本性だって思ってるようだけど、私はもっと酷いの。だって、あの子が苦しむ姿が、怯える顔が好きなんだから!」

そう、私はちょっとおかしいの。でも止めるつもりはない。

「これが私なのだから!」

もっと傷つけたい、頼れるのは私だけだって刷り込みたい。そう思うのはいけないこと?

「次は何しようかなぁ…」

今日は怯える顔が見れた。なら、次は…

「苦しむ姿が見たいなぁ…」

クフフ…そう言って笑う私は周りから見れば不気味だけど、今はいいの誰もいないから

「絶対逃さないわ…。だって私は…だもの」

そう言って

「ただいま〜」

無邪気な顔で家に入っていった。