「お待たせ〜。」

待ち合わせ場所に行くと、凛はもう来ていた。

「ハハッ、ごめんごめん〜。お母さんがいろいろうるさくて…」

「相変わらずだね、明里のお母さんって。」

「まあね〜」

そんなことを言いながらたどり着いたのは大きな神社だった。

「で、今日は神社で遊ぶつもり?前、遊んで怒られたよね。」

見上げるほどまでの鳥居を睨みながら凛に聞く。

「違うよ?今日は遊ぶんじゃなくて、肝試しに行くの。」

「はっ?肝試し?えっ、ちょっと?私がそう言うの嫌いだってわかってるわよね。」

青ざめながら言うと、凛は悪戯っ子の顔をしてニヤリと笑った。

「さっきのお返し。」

「はぁ〜⁉︎いくら何でも仕返しの度がおかしいでしょ!」

「ほら〜、いくよ〜。」

「いやだ〜」

逃げようとした私の襟首を掴んで、凛はズルズルと私を引きずりながら神社の奥へ入って行った。