「…やっと、彼女は解放されたわね…。」
彼女は疲れたように椅子に深く腰掛けた。
「これで、取り敢えずは一件落着でしょうか。」
確認のために僕は尋ねた。
「いいえ、まだよ。血まみれの女の子を浄化するまではね。」
血まみれの女の子。
その存在は、今まで沢山の人を苦しめた。
「そうですか…。僕はどうしたら良いでしょうか。」
「ん〜、そうねえ…。付いてきて良いわ。そろそろ仕事をやらせようかと思っていたから。」
仕事…
それはずっと僕が欲していたことだった。
「じゃあ、行きましょうか。浄化しに…」
「はい、母上様。」
僕は興奮する心を静めながら、母である彼女の背を追った。