「此処だ。」

どれくらい歩いただろうか。私の前を歩いていた男の子が足を止めて前を指した。

前を見れば、私がくぐったと思われるあの黒い鳥居があった。

「気をつけて帰れ。」

男の子はそれだけ言うと元来た道を戻り始めた。

「あ、あの!色々ありがとう!」

私はどんどん遠下がっていく男の子に叫んだ。

男の子はこっちをちらっと見ただけで何も反応しなかったが、

前を向いた私は気づくはずなかった。