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「あかり〜、おまたせ〜。」
「わっ!」
後ろから飛び付いてきたのは、親友の凛。
「もう、遅いよ凛。ずっと待っていたんだからね!」
「あはは〜。ごめん、ごめん。そう怒らないでって。」
と言いながらも全く悪いとは思っていなそう
私は大きな溜息をついた。
「はぁ〜。で、何してたの。」
「何って、何?」
キョトンとした顔で首を傾げた彼女に、もう一度溜息をつくと、ゆっくり説明した。
「だから、今まで何をしていたのかってこと。どうせ、凛のことだから男子に告白でもされたんじゃないの?」
すると、驚いたように目を見開いたかと思うと、
「すごいね!明里!探偵さんみたい!」
私の手を握り、頬を紅潮させながら言った。
「そう?少し考えればわかることだけど。だって入学した時から告白されてるんじゃん。ずっとだよ?一年から五年までず〜と。流石にわかるでしょ。」
呆れながら遠い目をしている私に彼女ハハッと笑った。
「それで。返事はどうしたの。」
わかってはいるけど、一応聞いてみた。
「もちろん断ったよ!」
「まぁ、そうでしょうね。何たって凛は武佐樺(ムサカベ)君が好きなんだもんね。」
そんなふうにからかうと、凛は頬を染めて怒ったふりをする。
「も〜う、明里ったらすぐからかう。そんな明里こそいないの?」
「いないわよ。興味ないし。」
そんなところが可愛いところでもあって、またからかいたくなる。
そんなこんなで家に着いた私は
「じゃあね、凛。また後で。」
「うん。また後でね!」
そう言って別れた。