雪のとなりに、春。

隣から「何を言ってるんだ」という声が聞こえてきそうだ。


「私、雪杜くんに甘えてばかりじゃいられないよ!!」

「……ごめん、どの辺が甘えてた?」

「私もっと勉強頑張って、雪杜くんの成績に近づけるようにする!! それで、雪杜くんの足を引っ張らないようにするの!!」


何度かぱちくりと瞬きを繰り返してから、大きくため息を吐かれる。


「あのさ、俺がこうしたいから言ってるんだけど。甘えるだとか足を引っ張るだとか、先輩は何が引っかかってるわけ?」

「だから、私も勉強を頑張って、雪杜くんと同じくらいの成績になって、それで」

「受験まで1年もないのにできるわけないでしょ」

「う……っ」


雪杜くんは嘘はつかない。
私の成績の悪さもよく知っているからこその言葉だった。


「気合いだけじゃ、どうにもならないよ」


だから、雪杜くんが悪いことなんて何一つない。
……のだけれど。


「……え」


繋いでいる手を強く引いて、雪杜くんから離れた。


「雪杜くんの……っ、天才人間!!」

「はあ?」


それから、逃げるようにダッシュ。