雪のとなりに、春。

先を歩いていたはずなのに、こうして立ち止まって私のことを引っ張っていってくれる。

嬉しい。
……嬉しい……?


「受験勉強なら全然付き合うよ。自分の対策にもなるし」


雪杜くんは少しでも私と一緒にいられる道を選んでくれた。
もっといろんな選択肢があったはずなのに。
きっと迷うこともせずにそれを選んでくれたとわかる。


「だから、先輩は先輩のペースでいいよ。きっとタマキ先輩も勉強みてくれるだろうし、怖いものなんてないんじゃない?」


雪杜くんがそこまで私と一緒にいたいと思ってくれているのも、嬉しかった。
本当に好きでいてくれてるんだって、改めて実感できた。
私ばっかりが好きじゃないんだと思えて、安心した。

それなのに、なんでこんなに素直に喜ぶことができないんだろう。

さっきから雪杜くんの言葉が頭に入ってこない。
こんなの初めてだ。


私よりも年下なのに、私よりも遠くを歩いている。
そんな君が、どんなに頑張って走っても届かない所……今よりもっとずっと遠い所に行ってしまうんじゃないかって不安だった。


今みたいに立ち止まってくれるのも、迎えに来てくれるのも嬉しい。
けど、君が進むスピードを私が遅めてしまうなんて、そんなの。


「私……」


いつまで、その優しさに甘えるつもりなの?


「できるだけレベルの高い大学に行く!!」

「……は?」