雪のとなりに、春。

「……あのさ」


ひととおり話を聞いてくれた雪杜くんは、少しの沈黙のあとに口を開いた。


「一応伝えておくけど、一緒に風呂入ったり寝たりのくだりは子供の時の話だから」

「えっ!!」

「当たり前だろ、だいたい奏雨に会ったのも3年ぶりなんだし」

「そんなに会ってなかったの? いとこなのに……?」

「うん」


昨日のお泊まりで結局聞けなかったこと、今なら聞けるかもしれない。
そう思ったらなんだか緊張してきた。
だって、本当に何も知らない。


「どうしたの、そんなに難しい顔して」


こてんと首を傾げながら、上目遣いで覗き混んでくる。

雪杜くんは本当に、私の変化に敏感だと思う。
……それほどまでに露骨に顔に出てるってことなのかもしれないけど、いちいち気付く雪杜くんがすごいんだ。


「私、雪杜くんのこと何も知らないなあって」

「そう?」

「うん。話してくれるの待とうと思ってたけど、雪杜くん全然自分のこと話してくれないんだもん」


くすっと笑う。


「聞かれたらなんでも答えるけど」


そう言えば私が喜ぶって分かってるんだ。

本当にこの人は。

見事に尻尾を振って食いつく自分も相当なんだけれども。