雪のとなりに、春。

腰にまわされた腕が、ぎゅっとしてくれて安心する。


「大好き」

「うん」

「雪杜くん、大好き」

「うん」


私がいくら「好き」を伝えたって
「笑えない冗談」「本気じゃないくせに」と言ってあしらわれてきていたのが懐かしい。

今ではこうして抱きしめてくれて、私を気持ちごと包み込んでくれる。
安心させてくれる。

また私が迷ったり自信をなくしたりしたら、その時は思い出す。
大好きな人が私を信じてくれているということが、こんなにも力になる。


「……先輩、そろそろ聞いていい?」


むくりと身体を起こす。
床に座ったまま、向かい合った。

雪杜くんの手はまだ腰に回されているので、ほぼ抱きしめられている状態に近い。


「奏雨に、何か言われた?」


息がかかるくらい近いのに、それがいやに安心する。
とにかく今の私には雪杜くんが必要だということに真っ先に気付いた環くんは本当にすごい。


「……えっと――」


私は今朝奏雨ちゃんとの間に起こったことを雪杜くんに説明した。

途中で口を挟めることなく、ただ「うん」と聞いてくれる優しさが嬉しくて、少しだけ泣きそうになった。