いちいち雪杜くんの口から飛び出てくる何の変哲もない言葉たちが、「かわいい」をまとって容赦なく私の心臓に突き刺さって苦しい。
「そう。作って」
「作ります!!」
「うん……ありがとう」
満足したようににこっと笑われて、ひんし状態のハートに見事にとどめを刺された。
小さい頃、何度かお母さんと一緒に作った時のことを思い出しながら、材料を一緒にカゴに入れていく。
無事にお会計も済ませてスーパーを出る頃には夕方になってしまっていた。
「……あ、カノちゃん!!」
「あ、こんにちは!!」
呼ばれた方を見ると、近所に住んでいる音原さんとその娘のゆめちゃんが少し遠くの方でこっちに手を振っていた。
ゆめちゃんは私の2つ年上のお姉さん。小さいころよく遊んでいたのがつい昨日のことみたいに思い出せる。
「先帰ってる」
「え、雪杜く……」
「掃除したいから、ゆっくり話してていいよ」
これから始まるおしゃべりが長くなることを察してくれたんだろうか、きっと私が気にしないような言い方をしてくれる。
「終わったら連絡して。迎え行く」
「……うん、ありがとう! 大好き!!」
「だ、っから、そういうこと人前で言うのやめてくれる」
雪杜くんは「じゃあ」と言ってすれ違うゆめちゃんたちに軽く会釈をして行ってしまった。
「そう。作って」
「作ります!!」
「うん……ありがとう」
満足したようににこっと笑われて、ひんし状態のハートに見事にとどめを刺された。
小さい頃、何度かお母さんと一緒に作った時のことを思い出しながら、材料を一緒にカゴに入れていく。
無事にお会計も済ませてスーパーを出る頃には夕方になってしまっていた。
「……あ、カノちゃん!!」
「あ、こんにちは!!」
呼ばれた方を見ると、近所に住んでいる音原さんとその娘のゆめちゃんが少し遠くの方でこっちに手を振っていた。
ゆめちゃんは私の2つ年上のお姉さん。小さいころよく遊んでいたのがつい昨日のことみたいに思い出せる。
「先帰ってる」
「え、雪杜く……」
「掃除したいから、ゆっくり話してていいよ」
これから始まるおしゃべりが長くなることを察してくれたんだろうか、きっと私が気にしないような言い方をしてくれる。
「終わったら連絡して。迎え行く」
「……うん、ありがとう! 大好き!!」
「だ、っから、そういうこと人前で言うのやめてくれる」
雪杜くんは「じゃあ」と言ってすれ違うゆめちゃんたちに軽く会釈をして行ってしまった。



