雪のとなりに、春。

「先輩が自分の気持ちを正直に言えない人なのは知ってる。わかんなくてごめん」

「……」

「先輩の不安なこと、俺に教えて……ください」


申し訳なさそうに眉尻が下がる。
悔しそうに口がきゅっと結ばれる。

ねえ、本当に雪杜くんは何も悪くないんだよ。

私がわがままなだけで。
もっとあなたに触れたいだけで。

……「もっと」って思ってしまう自分が止まらないだけで。


「じゃ、あ……お願い、聞いてくれる……?」

「いいよ。と言っても、俺にできることなんて限られてるだろうけど」

「お泊まり……したい、です」

「…………え」


い、言っちゃった!!
言っちゃった!!

え、え、雪杜くん、引いちゃったかな!?
はしたない女だと思われたかな!?
やっぱり女の子からこんなこと言うのっておかしいかな!?

勇気を出して伝えてみて、安心するより先にやっぱり言わなきゃよかったと大後悔。

いつもそうだ。
気持ちを伝えてみてもそのあとの相手の反応が怖くて、言えずに終わる。

でも。