雪のとなりに、春。

***

無事に病院について、とりあえずあっくんと一緒に行動することに。


「とりあえず病室行ってみよっか。もしかしたらオリ……親友がいるかも」

「うん、お供させて下さい!!」


何度か来たことがあるのか、あっくんは慣れたようにエレベーターに乗って迷うことなく4階のボタンを押した。


「……親友のさ、彼女なんだ。ゆめちゃん」

「えっ」


エレベーターが止まって、ドアが開く。
降りた途端にあっくんが衝撃的なことを言うから、私の足はいつもの動き方を忘れた。


「オリの家に何度か通ったり、お母さんの代わりにご飯とか作ったりして。すごくうまくやってるみたい」

「……あっくん……」

「あ、オリとは変わらず親友!! ゆめちゃんのことも諦めるつもりはないよ!! ……でも、さ」


私の後でエレベーターから出てきたあっくんは、悲しそうに下を向いて。
片手に持っている見覚えのある紙袋をぎゅっと握った。


「ゆめちゃん、いつもオリがいないところで泣くんだ。オリやオリのお父さんが無理して笑ってるのを見るのが辛いって」

「っ」


ゆめちゃんとはついこの間スーパーで会った。

その時は彼氏さんとの惚気話に花を咲かせて、お家に行ってお手伝いをしていることを楽しそうに話してくれてたけれど。

まさかその彼氏さんのお母さんが入院中だったなんて。