「俺さ、渕上誠があんな奴だとは思ってなかったからガッカリしたよ。ちょっと憧れてたのに」
「え?あの人が憧れだったの?」
未那がそう聞き返したのと同時に突然彼が撫でていた猫が立ち上がりどこかへと走っていった。彼はそんな猫に無表情のまま手を振りながら言った。
「渕上誠が描いてくれた友達の絵が好きだった」
「友達を描いてもらったの?」
未那が聞き返すと、彼は黙って頷いた。
「猫」
「え?」
「だから、猫。俺の友達!」
ぶっきらぼうに怒鳴るように言われて未那は身をすくめた。猫が友達なのか何なのか知らないけどそんなに怒った言い方をしなくてもいいのに、と思う。
「有安未那、何びっくりしてんだ」
「びっくりするよ。急に大きな声出したりしたら」
おまけにぶっきらぼうだし、と心の中で付け足した。急に怒るしさっきから誰を呼ぶ時もフルネームだし猫が友達だとか言い出すしこの人がどう言う考え方をしているのか未那には分からなかった。
春輝もそんな未那の気持ちに気づいたのか「分からないならいい」と前を向いてぶっきらぼうに言った。
でも、その顔はどこか寂しそうでこの人ももしかしたら誠さんがなーちゃんのところに行くのが寂しいのかな、と未那は勝手に思った。
もしそうなら未那と彼は同じだ。
「ねぇ」
「何?」
またぶっきらぼうに、そして迷惑そうな顔をして春輝は未那の方を見た。
「ハルって呼んでいい?」
「別に。有安未那の好きなようにすれば」
「あと、その呼び方やめて」
「は?有安未那は有安未那だろ」
そう言ってぶっきらぼうに言ったハルに未那は一瞬怯んだけどすぐに首を横に振った。
「フルネームじゃなくて未那って呼んでよ。私達友達でしょ?」
そう言って差し出した未那の手をハルは黙って握り返した。ぶっきらぼうな彼のその手はちゃんと暖かくてどこかホッとする気持ちになれた。
「え?あの人が憧れだったの?」
未那がそう聞き返したのと同時に突然彼が撫でていた猫が立ち上がりどこかへと走っていった。彼はそんな猫に無表情のまま手を振りながら言った。
「渕上誠が描いてくれた友達の絵が好きだった」
「友達を描いてもらったの?」
未那が聞き返すと、彼は黙って頷いた。
「猫」
「え?」
「だから、猫。俺の友達!」
ぶっきらぼうに怒鳴るように言われて未那は身をすくめた。猫が友達なのか何なのか知らないけどそんなに怒った言い方をしなくてもいいのに、と思う。
「有安未那、何びっくりしてんだ」
「びっくりするよ。急に大きな声出したりしたら」
おまけにぶっきらぼうだし、と心の中で付け足した。急に怒るしさっきから誰を呼ぶ時もフルネームだし猫が友達だとか言い出すしこの人がどう言う考え方をしているのか未那には分からなかった。
春輝もそんな未那の気持ちに気づいたのか「分からないならいい」と前を向いてぶっきらぼうに言った。
でも、その顔はどこか寂しそうでこの人ももしかしたら誠さんがなーちゃんのところに行くのが寂しいのかな、と未那は勝手に思った。
もしそうなら未那と彼は同じだ。
「ねぇ」
「何?」
またぶっきらぼうに、そして迷惑そうな顔をして春輝は未那の方を見た。
「ハルって呼んでいい?」
「別に。有安未那の好きなようにすれば」
「あと、その呼び方やめて」
「は?有安未那は有安未那だろ」
そう言ってぶっきらぼうに言ったハルに未那は一瞬怯んだけどすぐに首を横に振った。
「フルネームじゃなくて未那って呼んでよ。私達友達でしょ?」
そう言って差し出した未那の手をハルは黙って握り返した。ぶっきらぼうな彼のその手はちゃんと暖かくてどこかホッとする気持ちになれた。
