式の最後の新郎謝辞で童顔の旦那さんがサプライズで妊娠報告をした。
あの時のことを未那は今でもはっきりと覚えている。「こらからは3人で〜」と言う言葉を何度も繰り返した旦那さんとなーちゃんは幸せそうで周りの大人達も幸せそうだったけど未那はモヤモヤした。
子供ができたということは小さい頃からずっと遊んでくれていたなーちゃんがその子供にとられるということだ。もう未那の好きなアニメや漫画のイラストも描いてくれないだろうし宿題を教えてくれることもなくなるだろう。
それにまだ見ぬ子供に対しても未那は心配だった。なーちゃんとあの旦那さんの子どもだ。なーちゃんに似たら子供は明らかに可愛い子に育つだろうけど、旦那さんの方に似たらその子の人生は終わりだろう。女の子ならともかく男の子なら身長がコンプレックスになるんじゃないか、と思う。なーちゃんも旦那さんも背が低いから可哀想だな、と未那は思った。
そんな未那にとっては、全然楽しくなかった式の後両親とお兄ちゃんと弟が親戚の人と話しているなか未那は黙ってホテルの入り口前に出た。
気分が悪かった。なんでかはよく分からないけど、兄弟のなかで1番なーちゃんに懐いていたくせになーちゃんと話したくなかった。なんなら挨拶もしたくなかったしおめでとうも言いたくなかった。
そう思って着なれない水色のドレスのまま外に出ると、見覚えのあるスーツを着た男の子が野良猫と戯れあっている姿が目に入った。
「お前、本当可愛いな」
そう喋る彼の声を聞いて未那は「あ」と思った。
この子のこと、私知っている。多分、彼だ。
あの時のことを未那は今でもはっきりと覚えている。「こらからは3人で〜」と言う言葉を何度も繰り返した旦那さんとなーちゃんは幸せそうで周りの大人達も幸せそうだったけど未那はモヤモヤした。
子供ができたということは小さい頃からずっと遊んでくれていたなーちゃんがその子供にとられるということだ。もう未那の好きなアニメや漫画のイラストも描いてくれないだろうし宿題を教えてくれることもなくなるだろう。
それにまだ見ぬ子供に対しても未那は心配だった。なーちゃんとあの旦那さんの子どもだ。なーちゃんに似たら子供は明らかに可愛い子に育つだろうけど、旦那さんの方に似たらその子の人生は終わりだろう。女の子ならともかく男の子なら身長がコンプレックスになるんじゃないか、と思う。なーちゃんも旦那さんも背が低いから可哀想だな、と未那は思った。
そんな未那にとっては、全然楽しくなかった式の後両親とお兄ちゃんと弟が親戚の人と話しているなか未那は黙ってホテルの入り口前に出た。
気分が悪かった。なんでかはよく分からないけど、兄弟のなかで1番なーちゃんに懐いていたくせになーちゃんと話したくなかった。なんなら挨拶もしたくなかったしおめでとうも言いたくなかった。
そう思って着なれない水色のドレスのまま外に出ると、見覚えのあるスーツを着た男の子が野良猫と戯れあっている姿が目に入った。
「お前、本当可愛いな」
そう喋る彼の声を聞いて未那は「あ」と思った。
この子のこと、私知っている。多分、彼だ。
